W H A T ' S N E W  ...素敵な人、素敵なこと
 
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●秋山 博美さん(Mr.Hiromi Akiyama) - 007

秋山博美さんは日本刺繍家です。鎌倉生まれで湘南在住の生粋の海の男でもあります。
そして私にとっては武蔵野美術大学でのセーリング部の先輩でもあるのです。

学生の頃はクラブでディンギーに乗り、卒業してからもOBのグループで長い間クルーザーに乗っていました。ヨットに乗っていない時にはサーフィンです。
学生時代から今日まで、何しろ海に明け暮れている、という感じの人です。

ですから以前は私の知っている秋山さんと「日本刺繍家」というイメージがどうも結びつきませんでした。あの日に焼けたごつい体格と繊細な日本刺繍???。
それに秋山さんが刺繍をしているところも、あまり見た事がなかったのです。

しかし、実は秋山さんのお父様の秋山光男氏も高名な日本刺繍家で、秋山さんは若い時から日本刺繍のてほどきをうけ、日本刺繍家になるべく美大でグラフィックデザインを学んでいたのです。(決してヨットをやりに来ていたのではなかったのです)

現在は日本刺繍を教える教室兼工房である「秋山刺繍研究所」を2代目として主宰するほか、「新宿京王友の会」と横浜の「朝日カルチャーセンター」にもクラスを持っています。年に2度アメリカでも集中講座を開いているそうです。

去年の12月に秋山さんの日本刺繍の本が出版されました。
ここ数年、若い女性の間で「手芸」や「着物」など日本的なものに感心が高まっているそうですが、
日本刺繍の古典的なモチーフはデザイン的で可愛いものが多いので、馴染みのない世代には
特に現代的で魅力的に見えると思います。

本の中で紹介されていますが、雪の結晶をデザイン化した「雪花文」。松をかたどった「松文」。
雀や兎をモチーフにした「ふくら雀」や「兎文」などは日本の文様として馴染みぶかいモチーフですが、色や表現の微妙な違いでとても現代的で魅力的な刺繍になっています。
こんなワンポイントの刺繍が入った袋物や室内履きなんてあったら可愛いなあ、と思います。

それにしても、本の写真や作品展で実際の刺繍を見ると「細かい!」の一言に尽きます。
絹の糸は2本を合わせて撚ってから針に通し、一目一目刺してゆくそうです。
ものすごく繊細で、根気の必要な技術です。
緻密に刺した刺繍は立体感があり、糸の方向によって微妙に色も違ってみえます。
そういう効果も計算したうえで針目の方向や繍い方の種類を選ぶそうです。

秋山さんはサーフィンやヨットをしながら仕事場ではこんなに繊細な仕事をしていた訳だったのでした。
そうかあ「サーファーでヨットマンの日本刺繍家」というのも意外性があって良いのかも?ですね。
でも海でサーフボードを持った秋山さんに会って話をしたとしても、職業が「日本刺繍家」だと思う人は絶対にいないと私は確信します。

「日本刺繍・和のデザイン」秋山博美著
 
 
 
作品─向上寺
 

◆「日本刺繍・和のデザイン」秋山博美著
  文化出版局 ¥1,890

◆「秋山刺繍研究所」
  日本刺繍を習う教室です。鎌倉駅から徒歩5分。小町通りに面しています。
  鎌倉市小町2-8-9 秋山ビル3F Tel:0467-22-3499

◆「作品展」 
  2年に1回秋山刺繍研究所の生徒の方々の作品展を銀座で開催しています。

  日時:12月21日( 水)〜24 日(土)
  場所:ポーラミュージアムアネックス
     東京都中央区銀座1-7-7 TEL:03-3563-5501   
     (有楽町線 銀座1丁目駅 7番出口)
  時間:10:00〜19:00 (最終日は17:00 まで)入場無料

 
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